| 窪田 |
この経営について書かれている公明正大というのは難しい言葉ですね。公明正大の基準って何でしょうか。 |
川喜田 |
自分が言ったこと、書いたものは、世界中の誰に聞かれても、読まれてもいいという覚悟かな。前提はそういうことです。社内の会議は、この会社の外で市民の皆が見ている場所で行っている意識でやりましょうねと言うことがあります。この公明正大とはフェアなことですね。
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| 窪田 |
公平とは違いますか。 |
| 川喜田 |
日本語の中にはうまく当てはまる言葉がないんですが、公平よりももっと「きれい」なことですね。スポーツで言うフェアプレイをイメージしていただくといいと思います。公明正大の元にあるものとは、人間も動物の一種であるということです。犬にもメンツがあるのではという話があります。ある哲学者がそれは防衛本能ではないかと言っていました。
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| 窪田 |
なるほどね。人事考課で言えば、いい人は上に行くというのが公明正大ということになりますね。私は基本的には自分が成長したい、そのために会社が支援してくれるということがいいと思います。夢を持つことが大事ですね。さて、究極の経営ということについてはどうお考えですか。 |
| 川喜田 |
終わりがないことです。そのために次に引き継がないといけない。 |
| 窪田 |
引き際が難しいですね。
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| 川喜田 |
私は引退が早すぎると言われましたけどね。色々考えた結果引退し、代表権も外して、今では好きなこと言っていますけれどね。 |
| 窪田 |
代表としてしゃべると教えになりますが、違う立場になると氣づきになりますよね。氣づかせることが教育になりますよね。 |
| 川喜田 |
本当にそう思います。へたな鉄砲数撃ちゃ当たる。人は色んな人格を持っていて、何が当たるか予想不能ですからね。 |
| 窪田 |
その通りです。私は講演で言いたいことは少ししかないんですが、皆価値観が違うので、ある人はこう話すと氣がつくし、ある人は別の言葉で氣がつくことがある。だから表現を変えていっぱいしゃべるしかないと思っているんです。 |
| 川喜田 |
コミュニケーションとは時間のかかることだということです。 |
| 窪田 |
今の業種を継ぐということが経営を継ぐということではないですよね。 |
| 川喜田 |
その通りですね。企業とは人をハッピーにさせる手段なんだから、業種は関係ないんです。この企業理念の言葉にしても、どの商売にも当てはまることです。 |
| 窪田 |
理念はどの企業も同じになると思うんです。ただ、ビジョンでその企業なりの色を付けるべきかなと考えています。川喜田会長のお話を伺っていると、人が育つ環境を作られているような氣がします。そう考えて改めてこの企業理念を見ると、ビジョンを作ってしまって押し付けるのではなく、皆がそれぞれ自分なりに考えて欲しいと思われているのではないですか。皆がビジョンを考えて進んでいけば会社は伸びていきますよね。 |
| 川喜田 |
そうなんです。それが私の願っていることと合っていれば嬉しいわけです。私は人材育成という言葉は好きではないんです。人が育つ会社にしたいんです。 |
| 窪田 |
先ほどビジョンが足りないなどと生意氣なことを言いましたが、むしろもっと深く考えて、わざとこういう言葉にされたのではないかと感じてきました。 |
| 川喜田 |
言葉にするのが難しかっただけですよ。こだわったんですけれどね。難しかったです。私の全く個人的な意見を言わせてもらえば、「百五銀行は見えないことを大切にします」という言葉がぴったりしますね。 |
| 窪田 |
理念はゼロと言ったりしますが、理念は感じるものなんです。言ってもわからない。理念を好きになってもらえばいいだけですね。 |
| 川喜田 |
銀行員はね、これをなかなか好きになってくれないんですよ。ある人が言っていたことが良く表していますが、銀行員になったからには、顧客とは心を通わせることはないと。確かにそうです。悪い言葉で言えば、癒着してはいけないということです。これが正しいし、皆そう思っているでしょうから、人を信じることから始めろとか言っても難しい面があるんです。でも私はこのことをわかった上で、敢えてそれを超えるロマンがあってもいいじゃないかと思うんです。そうなって欲しいなあと思うんですけれどね。 |
| 窪田 |
トップはロマンがないとだめですよね。こちらの社員さんは幸せですよね。こういう言葉を日常的に聴けるんですから。
本日は本当に楽しい時間をありがとうございました。 |
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(文中敬称略)
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